今月4日に市立奈良病院にて、「がん医療の現況と課題」と題した勉強会を開催しました。講師は日本医療政策機構理事でがん政策情報センター長の埴岡健一先生です。奈良県はがん対策推進計画の策定が日本で一番遅かったこともあり、その遅れが指摘されていました。しかし、10月にはがん対策推進条例を施行し、最後発の利を活かした巻き返しに取り組んでいます。埴岡先生はそのWGメンバーでもあり、今回は市立病院関係者を対象にご講演頂きました。奈良の特徴としては胃がん、肺がんの死亡率が高く、かつそれらの検診を受ける人が特に少ないそうです。しかも、要精密検査となった場合の再検査受診率が低いとの事。またがんの緩和ケア病棟であるホスピスは施設数・ベッド数共に全国平均の半数ということもあり、今後の取り組み強化が必須と指摘されました。また、1つの病院が全てをカバーするのではなく、病院ごとの得意分野を活かし、地域医療全体としての役割分担をコーディネートする必要があること、患者・議会・行政・医療・民間(市民)・メディア・研究者といった多様な協力者が不可欠である(七位一体モデル)と仰いました。本市でも、現在立替計画が進んでいる市立奈良病院を拠点に、がん対策のモデル都市をめざそう!という先生からの提案に、多くの参加者から期待の声があがっていました。