今年は平城遷都1300年記念事業に関連した国際会議や行事が多く、私も市役所での執務より、外出する公務が続いています。平城宮跡会場では既に当初予測の250万人を大幅に上回る300万人の来場者があり、奈良への関心の高さにはうれしい驚きがあります。先行きの見えない世相の中で、これからの国の姿や私たちの生き方にまで、大きな示唆を与えてくれる歴史の重みに感謝せずにはいられません。
10月12日から奈良市で開催された世界歴史都市会議では、海外33都市、圏内22都市の代表団が参加し、「歴史都市の継承と創造的再生」をテーマに3日間に渡り研究発表や意見交換が行われました。中でも特に印象的だったのは世界の高校生によるユースフォーラムでした。 私たち大人では気付かない斬新な視点で、これからの歴史都市の進むべき道を提言してくれました。自転車を使った新しい観光の提案では、地域ごとにもてなしブースを設けて食と情報を提供する 「自転車版道の駅」 のよ う なアイディアがあるなど、すぐにでも実現できそうなものも多く、提言力の高さに感心しました。
また同時に行われた歴史都市市長シンポジウムでは、パララット市(オ ース卜ラリア)、慶州市(韓国)、イスフアハン市(イラン)、京都市の4市とともに、 「歴史都市の価値を高める観光」について具体的な実例を通して討論を行いました。都市化による環境問題や次世代への歴史・伝統の継承の悩み、地域住民への関心喚起など、多くの共通課題が明らかになり、今後のさらなる連携を約束し閉会しました。
2010年10月22日 22:00
[奈良市政]