火曜日まで開かれていた12月定例市議会で、9月議会に続き、任期付き職員の採用に関する条例案が、賛成少数で再び否決されました。
この条例案は高い専門性を持つ職員等を、一定の任期を設けて採用する制度で、8年前に国でスタートした制度です。奈良市では、100億円を超える税・税外の滞納債権の徴収業務や、急増する生活保護に対応するケースワーカー等、一定の期間に業務が終了する分野での制度活用を想定していました。どちらも何十年もかかる業務ではなく、終身雇用での大量採用は将来世代への大きな負担となってしまいます。
また、例えば民間金融機関での債権回収業務の経験者のように、即戦力として活躍が期待できる方を雇用することで、市の職員にとっても大きな刺激が得られると考えています。議会からは官製ワーキングプアの拡大につながる、との意見がありますが、現在の臨時職員・非常勤嘱託等の非正規雇用に比べても、待遇面で手厚く、必ずしもその批判は当たらないと考えています。もちろん、全ての職員を終身雇用を前提とした正規職員で雇う事ができれば理想かもしれませんが、現下の財政状況では不可能なことは明らかです。
民間では当たり前、国でも当たり前の制度が、8年経っても導入できないという奈良市の現状、市民感覚から大きくズレていると言わざるを得ません。
2010年12月10日 05:31
[市議会]