負の遺産として知られる奈良市の土地開発公社の「塩漬け土地」問題。214億円の簿価に対する実勢価格はわずか26億円と、実に9割が含み損となっている現状があります。市では昨年秋に「奈良市土地開発公社経営検討委員会」を設置し、過去の土地取得の経緯を徹底調査するとともに、再発防止と負債処理に向けた方策を検討しています。先日行われた第5回の委員会では、当時の担当者(退職済みを含む)や関係者に対するヒアリング調査を踏まえた中間報告が出されました。
その中で、
・買取りありきで進められた必要性がきわめて低い土地の取得
・不当に高額に設定された買取価額と歯止めなく膨張する借入実行
・10年を超えた放置、処分先送り、塩漬けによる後世代への負担転嫁
の3点が問題として指摘されました。
委員会では年度内の最終報告に向け、さらなる調査を行うことになりますが、いずれにしても、市民の皆さんから大切な税を「お預かり」しているという意識が低く、チェック機能も全く働いていなかった事が、このような膨大な負の遺産を生み出したと考えられます。徹底して過去の膿を出し切り、高いガバナンス(統治)を確立する事が最重要課題だと考えています。
詳細は市HPに中間報告書を掲載していますので、ご覧下さい。
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1295243229599&SiteID=0000000000000&FP=toppage
2011年1月18日 23:23
[奈良市政]