今回発生しました市の現役管理職による公金(税の延滞金)着服事件につきましては、市民の皆さんの信頼を根底から覆すこととなり、誠に申し訳ありません。税という市民と行政をつなぐ最も大切なものを、自らの私欲を満たすために立場を悪用して着服したという事実は、断じて許される事ではありません。私も監督者としての責任を重く感じています。今後は警察とも連携を図りながら、事実の徹底究明と再発防止、チェック機能の見直しに全力を挙げます。
これまでも奈良市においては、現業職員の中抜け問題や、長期病休問題、親族企業への公共工事の発注口利き等、他所では考えられないような不祥事が続いてきました。私も就任以来、これらの体質改善が急務と捉え、事なかれ主義の排除や身内に甘い調査や評価を避けるため、この7月からはガバナンス推進課、8月からはガバナンス監視員会を設置してきました。今回はその矢先の事件だけに、大きな衝撃として受け止めています。ガバナンスとは内部統制とも言われ、法令や規律の遵守を徹底し統制の効いた組織運営を行うことを指します。最近では企業等でも組織内で問題が起きた際に速やかに第三者委員会を立ち上げ、事実を調査・公表することが多くなってきましたが、行政でも求められる事は同じです。特に公務員は税金をお預かりする公僕としての立場であり、より厳しい規範意識が無ければ行政の存在にも関わる重大な問題となります。今回の事件を通して、過去から続いてきた慣れ合いの空気を一掃し、一刻も早い信頼回復に向け、陣頭指揮を執らせて頂く所存です。