6月の議長選を巡る買収疑惑事件では、事実を認めた山本清前議長が9月議会初日に辞職、15日には大阪地検特捜部により、前議長が所属していた政翔会控室への捜索が行われるなど、前代未聞の事件に議会は大きく揺れています。そもそも有権者から預かった議席(今回の事件では議長選への投票権)を私利私欲につなげようとは、法違反の前に市民への大きな裏切りであり、政治家としての魂を売り渡すことに他なりません。
これまでにも土地開発公社の塩漬け土地問題や、公共工事の発注に関わる談合事件等では議員の関与が指摘されてきました。また、他の自治体では「ほぽ絶滅」しつつある、建設業系の議員が未だ多いのも奈良市の特徴です。地方自治法92条の2には兼業禁止規定が定められており、議員はその自治体から業務を請け負う企業等の経営者や役員を務める事ができないとなっています。その事から、体面上のみ身内に経営を譲るケースもあ りますが、「準ずべき者」もNOと規定されており、実質的に経営に関与している場合は法の主旨に反する恐れがあります。県内でも上牧町では「町長等及び議員の配偶者、2親等以内文は同居の親族、役員をしている企業並びに実質的に経営に携わる企業」までが対象となっており、奈良市議の政治倫理条例に比べて具体的かつ効果的です。
利権・しがらみ ・ 慣れ合い ・ 世襲に代表 される古い政治の根を断つためには、市民による市政監視と、投票と言う具体的な行動によって主権者たる権限を最大限に行使することが唯一 の方策だと考えます。
2011年9月30日 22:00