奈良市では昨年度、事業仕分けに代わる新たな行革手法として「事業・業務の総点検」を実施しました。事業仕分けでは対象事業数や波及効果に限界があることから、より全庁的に「濡れ雑巾」を絞る方策として全国に先駆けて取り組みました。作業は市の行政経営課と外部の公認会計士による合同チームで行い、1)全課・全支出を対象に直接事業費(見えるコス卜)だけでなく人件費等の間接費(見えないコスト)も含めた分析、2)企業会計をベースに経営資源(ヒ卜・モノ・カネ・情報)の配分状況をチェックする 「マクロ視点」と同時に、全110課へのヒアリングや職員からの行革提案の募集などの「ミク口視点」の両方からのアプ口ーチ、3 )予算の編成から執行・監査までの各工程の課題を一体的に点検、した点が特徴です。いずれも民間では当たり前の発想ですが、自治体も急ピッチでマネジメン卜改革を進めなければなりません。具体的には以下の6つの横串課題が明らかになりました。1 )官民役割分担(ごみ関連業務や証明書発行等の窓口業務の民間委託) 、 2 )間接業務の効率化(各課で対応している物品調達や電話対応業務等の一 元化)、 3 )人件費の抑制(他市より多い年間約3億円の特殊勤務手当や約13億円の時間外手当の削減)、4)予算管理と監査体制の強化、5)施設管理の最適化(100施設ある公私立の幼保再編や行政財産の売却等)、6)歳入増加策(自販機の入札や、月給制の行政委員の日額化等)これら全てを達成すれば約54億円の経費節減につなが ります。 今年度は実現に向けた制度設計や入札準備など、出来るものから取り組んでいく予定です。詳しい報告書を市HPに掲載していますので、ぜひご覧ください。