6月定例議会が金曜日に閉会しました。昨年の議長選挙での不祥事を踏まえ、今回から立候補制による投票が行われるなど、議会運営の新しい形が始まっています。また、各議案も主なものは常任委員会へ付託され、本会議での代表・一般質問に加え、より慎重な審議が行われる形となりました。
今議会に提出した議案の中で、主なものは以下。
・土地開発公社の解散に向けた関連議案
・市立看護専門学校の設置および管理に関する条例の制定議案
・各外郭団体の経営状況の報告
・国の法改正(地方税法等)に伴う条例の一部改正
・人事案件(監査委員)
・財産の処分(平城宮跡内の市有地)、など
この中でも土地開発公社に関しては、2010年秋に奈良市土地開発公社経営検討委員会を設置し、過去の経緯や問題点について外部委員による徹底検証を行ってきました。その後、庁内での議論を踏まえ、もはや負の遺産をこれ以上抱え続ける事はできないと判断し、公社の解散に向けた具体的な手続きに入ろうとするものです。これまでは毎年、公社が金融機関に支払う利子の一部を市が補給する形で単年度の負担を低く抑える事に主眼が置かれてきましたが、これは債務の原因である「塩漬け土地」を根本的に解消する方策ではなく、いわば将来世代への負債の先延ばしと言えるものでした。またトータルコストの面でも、一刻も早く精算したほうが負担が少なくて済むことから、第3セクター等改革推進債という、条件の有利な国の起債制度を活用して精算をしようとするものです。今後は、公社に代わって市が金融機関に債務を弁済し、その債権(公社に対する市の債権)を放棄する手続きなどを年度内に取る予定です。いずれにしても、175億円という巨額の起債による負債処理となるため、今後改めて市民の皆さんへの丁寧な説明を尽くしたいと考えています。
市立看護専門学校については、恒常的な市内の看護師不足に対応するために来年4月の開校をめざして看護師養成機関を設置しようとするものです。市立奈良病院に限って言えば、私の市長就任直前の09年4月1日時点で213名(臨時含む)だった看護師数が、今年4月1日には252名と着実に増員を図ってはいますが、病院の建替えにあわせてさらに人員が必要となるため、根本的な解決策として開校するものです。
その他にもさまざまな議論を経て、最終的に市側の提出した議案については全て可決されました。議会で出された視点・論点については、今後の取組みの中で反映させていきたいと思います。
2012年7月 1日 22:09
[市議会]