この紙面でも何度も取り上げてきた奈良市の特殊勤務手当の見直し案が、ようやく9月議会で可決されま した。3月議会での否決を受け、改めて全ての特勤手当を見直した結果、現行の30種から16種に再編整理するとともに、支給額ベースでは年額約3億円から約3000万円へと9割カ ットする案を再提案しました。3月議案との違いは見直し対象を環境部以外の部署まで広げた事、また一部手当については最大1年半の激変緩和措置を設けた事です。今回の制度改革により、全国一高いと批判を受けていた環境部の手当が大幅に改善されることになります。
一方、職員の平均給与(年収ベース)では、全職員平均が約688万円に対し、清掃職員は約774万円と100万円近い差があります。この要因の1つが特勤手当ですが、も う1つの要因が時間外手当(いわゆる残業代)です。奈良市では年間約13億円の時間外手当が発生していますが、これは他の中核市よりも高い水準です。環境部に関しては一人当たり平均363時間と、全職員平均の222時間と比べ1.6倍となっています。確かにごみ関連業務は祝日も休むことができない為、手当を支給して業務に当たらせている事も増加要因の1つです。しかし業務内容をより仔細に検証していくと、いくつかの必要性の乏しい残業が半ば既得権化している実態が明らかとなりました。例えば通常勤務終了後に、ごみの分別 を呼び掛ける放送を流しながら市内をパッ力一車で巡回するようなものは、 誰の目にも人件費 とガソリン代の二重のムダと映ります。しかし、実際にはこれまで誰も手が付けられなかった訳です。この状態に対し8月からは収集3課における残業対象業務の見直しを行いました。予想を上回る大きな抵抗もありましたが、結果として、8月9月実績では対前年比で半減するに至っています。今後も不断の努力で見直しに取り組んで行きます。
2012年10月 5日 22:00
[奈良市政]