市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん
2013年2月15日 16:52 [奈良市政]

新生、市立奈良病院

今日は市立奈良病院の管理運営協議会が開催されました。市立奈良病院は旧国立病院を奈良市が継承し、平成16年12月に開院。現在9年目を迎えています。この病院は昭和42年に建設されたこともあり、老朽化・狭隘化が著しいことから平成22年から建替え工事に取り組んできました。昨年末に第一期工事が竣工し、年明けからは新しい建物で診療を開始しています。リニューアルに伴う機能拡張は以下。

・ICU・CCUを8床新設し、救急医療体制を強化
・病床数を50床増やし350床に
・病床1床あたりの面積を倍増し、より快適な入院生活を実現
・MRI・アンギオ(血管造影検査機器)等の増設
・NICUの後方支援病床6床の新設により周産期医療の充実
・感染症に対応した陰圧室を小児科3床・呼吸器科1床新設
・がんの緩和ケア病床10床の新設(がん診療拠点病院)
・本館は免振構造で災害拠点病院として機能

等です。ちなみに建設に要する経費は全て病院運営交付税や災害拠点病院の指定に伴う交付金で賄い、実質的な市の負担はゼロとなっています。また医療機器約28億円は指定管理者である地域医療振興協会が自己資金で整備するなど、厳しい財政状況の中で最も負担の少ない方法を採り入れています。さらに今年4月に開校予定の看護専門学校の開設に関しても、協会側が建物を建設した上で市が無償で借り受け、毎年の運営についても学生1人あたり58万円の交付税から市の経費を差し引いた額で協会に委託(教務部門)することで、いわゆる市の真水負担はゼロで経営する事が可能となりました。

また一方で、平成24年度の実績としては以下のようなものがあります。

・医師が6名増え90名に(うち初期研修医10名含む)
・看護師が16名増え252名に(非常勤25名含む)
・薬剤師1名、放射線技師1名、理学療法士2名、言語聴覚士1名の増員
・ドクターカーの運用を週4日から週5日に拡大
・病院敷地内で病児保育園をスタート
・利用料金制の導入(市は未収金の負担が不要に)
・DMAT(災害派遣医療チーム)の2チーム目を結成

全国の公立病院の8割が赤字と言われる中で、これだけの機能充実を果たしながらも毎年黒字経営が行えるのは、民間の強みを活かした指定管理者制度のお陰と言えます。これから、行政がどこからどこまでの事業領域を抱えるのか、官民役割分担をさらに進める必要がありますが、市立奈良病院の事例は1つの良いモデルとなるでしょう。


*なお看護専門学校の開設に関する部分を、当初「協会側が建物を建設した上で市に寄附」と記載していましたが、正しくは「市が無償で借り受ける」という形となります。お詫びして訂正します。

 

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