今日から新年度が始まりました。奈良市ではこの春、管理職295名を含む計911名の異動を発令しました。今回の異動にあたっては、単なるローテーションではなく、①限られた人員の中で組織が一丸となって効率的・効果的に動ける体制の確保、②女性や若手職員の積極登用、③新たな市民ニーズへの柔軟な対応、の3本を柱として取組みました。
まず①については部長級の「統括官」を新設し24名の部長級職員の取りまとめを担い、縦割り組織に横串を挿すことにします。これは部長と副市長の間のポストであり、民間企業で言うところの専務にあたります。
次に②としてはまず、他市より圧倒的に遅れてきた女性登用をさらに進め、管理職に占める女性比率を11.8%に引き上げました。ちなみに私の就任前は7.5%でしたので大きく改善しています。女性登用を進めようとすると、組織内から常に出てくるのが「女性だけを優遇するのであれば逆差別だ」という声。もう1つは「男性社会の中で女性管理職が孤立して潰れてしまうのではないか」という意見。私はどちらも的を射ているとは思わないし、どちらかと言えば一昔前の「昭和の発想」だと感じます。確かに、当の女性職員も入庁以来、圧倒的な男性主導型の組織で仕事をしているとそれが当たり前のように捉えてしまう部分はあると思います。しかし周りを見渡すと民間だけでなく公務職場でも性差を昇任の判断材料としない事は、もはや当たり前の時代になっています。優秀な人材は性別や年齢、もちろん学歴に関わらず登用することが組織にプラスとなり、市民福祉の最大化につながると私は考えています。とはいえ、全職員に締める女性比率は13.2%ですので、11.8%も決して高いものではありませんので、さらなる改善に取り組みたいと思います。
もうひとつ、女性登用を進める理由はダイバーシティ戦略です。ダイバーシティという言葉は最近よく使われますが、性差だけでなく障害の有無や宗教・人種など、あらゆる面で多様性を論じる際に重要なキーワードです。行政だけでなく、これまで日本の多くの組織では、「年輩・男性・日本人・健常者」がほとんどの意思決定を握ってきました。しかし実際の消費者やサービス利用者はもっと多様で、そこをマッチングさせる必要があります。市役所内で言えば、専業主婦の妻を持つ男性職員が考える人事管理と、共働きで要介護の親を持つ女性職員がイメージする「働きやすさ」では大きな差が生じます。男性・女性、どちらか一方を強調するのではなく、あくまでもバランスを取る為の方策として、今後も積極的に取り組んで行きたいと思います。
また従来は課長の平均年齢が56歳、部長は退職間際にしかなれないと言われ、管理職としての経験を活かせぬまま、定年を迎える事が多いという問題がありました。そこでここ数年は各ポストに昇格できる年齢条件を緩和し、有能な人材は若くても積極登用する道を開いています。
最後に③では、新斎苑やクリーンセンターなどの喫緊の課題に対応する専門部署の設置や、新エネルギーや奈良町振興、攻める農業といった新たなニーズに対応する組織を設けました。特に、従来乏しかった「稼ぐ自治体」としての機能強化を図り、経済活性化や税収増につなげて行きたいと思います。
まず①については部長級の「統括官」を新設し24名の部長級職員の取りまとめを担い、縦割り組織に横串を挿すことにします。これは部長と副市長の間のポストであり、民間企業で言うところの専務にあたります。
次に②としてはまず、他市より圧倒的に遅れてきた女性登用をさらに進め、管理職に占める女性比率を11.8%に引き上げました。ちなみに私の就任前は7.5%でしたので大きく改善しています。女性登用を進めようとすると、組織内から常に出てくるのが「女性だけを優遇するのであれば逆差別だ」という声。もう1つは「男性社会の中で女性管理職が孤立して潰れてしまうのではないか」という意見。私はどちらも的を射ているとは思わないし、どちらかと言えば一昔前の「昭和の発想」だと感じます。確かに、当の女性職員も入庁以来、圧倒的な男性主導型の組織で仕事をしているとそれが当たり前のように捉えてしまう部分はあると思います。しかし周りを見渡すと民間だけでなく公務職場でも性差を昇任の判断材料としない事は、もはや当たり前の時代になっています。優秀な人材は性別や年齢、もちろん学歴に関わらず登用することが組織にプラスとなり、市民福祉の最大化につながると私は考えています。とはいえ、全職員に締める女性比率は13.2%ですので、11.8%も決して高いものではありませんので、さらなる改善に取り組みたいと思います。
もうひとつ、女性登用を進める理由はダイバーシティ戦略です。ダイバーシティという言葉は最近よく使われますが、性差だけでなく障害の有無や宗教・人種など、あらゆる面で多様性を論じる際に重要なキーワードです。行政だけでなく、これまで日本の多くの組織では、「年輩・男性・日本人・健常者」がほとんどの意思決定を握ってきました。しかし実際の消費者やサービス利用者はもっと多様で、そこをマッチングさせる必要があります。市役所内で言えば、専業主婦の妻を持つ男性職員が考える人事管理と、共働きで要介護の親を持つ女性職員がイメージする「働きやすさ」では大きな差が生じます。男性・女性、どちらか一方を強調するのではなく、あくまでもバランスを取る為の方策として、今後も積極的に取り組んで行きたいと思います。
また従来は課長の平均年齢が56歳、部長は退職間際にしかなれないと言われ、管理職としての経験を活かせぬまま、定年を迎える事が多いという問題がありました。そこでここ数年は各ポストに昇格できる年齢条件を緩和し、有能な人材は若くても積極登用する道を開いています。
最後に③では、新斎苑やクリーンセンターなどの喫緊の課題に対応する専門部署の設置や、新エネルギーや奈良町振興、攻める農業といった新たなニーズに対応する組織を設けました。特に、従来乏しかった「稼ぐ自治体」としての機能強化を図り、経済活性化や税収増につなげて行きたいと思います。