新年度の組織改編では農林課の中に新たに「攻める農業係」を新設しました。これまでの農政と言えば補助金を前提とした保護行政志向の強いイメージがありますが、安倍政権においても重点事業と位置付けられているように、いわゆる6次産業化や海外市場への積極的な展開が必要な時代に来ています。奈良市においても地元で採れた農産物を地元で消費する「地産地消」だけでなく、大和野菜やヤマトポーク、大和肉鶏などのブランド食材や、お茶や日本酒、米・いちごといった新たな戦略商品を普及させ、地元農業と経済成長につなげたいと考えています。
先日、ベルリンで開催された世界最大の観光博覧会に出展した際も、ドイツの日本食レストラン等へ大和茶や日本酒のセールス活動を仕掛けてきました。また米に関しては奈良県産のヒノヒカリが3年連続で最高位の特Aランク(日本穀物検定協会調査http://www.kokken.or.jp/ranking_area.html)を獲得するなど、評価が高まっています。元々、奈良の農業は生産性が高いことで知られており、明治後期から大正にかけては反収(10アール当りの収穫量)が全国一でした。また最近では東部や都祁地域の米を、大阪や京都だけでなく東京の料亭も買い付けに来ていると聞きます。
しかし、一般的にはまだ「知る人ぞ知る」状況で、地元の奈良市内ですら十分な認知と評価を受けているとは言えません。ブランド力を高めるには、まず地元の評判や口コミが重要ですので、今後さまざまな仕掛けを打っていこうと考えています。新しい「攻める農業係」では、農家だけでなく流通・観光・メディア等、幅広い分野と連携しながら、奈良の魅力向上に取り組んで行きたいと考えています。