5日から6月議会が開会しました。今議会では国家公務員給与の削減に伴い、奈良市の職員給与についても大幅削減する議案を提出しています。既に国では昨年度から2年間の削減に取り組んでいますが、地方の財政や給与は地方が独自に決定するのが本来の形です。しかし今回は給与削減相当額の地方交付税を国が独断で削ってくるという荒技に出てきました。これは最も安易で、かつ卑劣な手段だと私は思います。何故なら、そもそも交付税は国の財源ではなく地方固有の財源とされており、「国から地方への小遣い」では決してないからです。しかし地方にとってみれば、根元で蛇口を閉めてしまわれたら、どうしようもないのが現状です。財政に余裕のある自治体は、自腹で差額を捻出し給与を満額支払うという選択も可能ですが、奈良市の場合は約6億円という削減額を穴埋めする財源はありません。
そこで今回奈良市では度重なる組合協議の結果、年代に合わせて3.77%~10%まで段階的に削減率を設定 し、若年層や子育て世代の影響に配慮した形で削減するという案に至りました。一方、特別職については一般職以上の努力が必要と考え、市長は30%、副市長は20%、教育長・水道事業管理者・常勤監査委員はそれぞれ15%の給与・ボーナスカットとなります。今回の措置は今年度末までの時限措置ですので、職員にも何とか協力して欲しいと頼み込みましたが、このようなやり方が続くようでは国と地方の信頼関係が崩壊するのは時間の問題です。