既にニュース等でご案内の通り、今3月定例市議会で活発な議論がなされた新斎苑計画に関し、奈良未来の会と自民党による修正案が可決され、新斎苑関連予算が大幅減額修正される形となったことを受け、今般地方自治法の規定に基づき再議にかけさせていただきました。昨日、議会でその趣旨説明を行いましたので新斎苑に関する部分のみ掲載いたします。
(原文のままですので、一部当日の発言と異なる部分があります)
議案第25号 平成28年度奈良市一般会計予算に対する修正可決に対しまして再議に付した理由を申し述べます。
まず、何よりも新斎苑について、であります。
今回の修正案では新斎苑関連事業費のうち、既に債務負担行為を設定し、業務委託を行っている環境影響評価業務委託の2,900万円を除く経費4,800万円が減額なされた訳でございます。
この減額された経費4,800万円の内訳は、アクセス道路・橋梁予備設他設計業務委託、都市計画審議会資料作成業務委託、地元自治会等先進地視察業務委託、アドバイザリー業務委託、不動産鑑定手数料などであり、更には新斎苑建設推進課の消耗品費のような事務的経費も全て削減されようとするものでございます。
新斎苑建設事業は、昭和30年代に現火葬場のある白毫寺町からの移転要望を受けて、市が重要課題として、その時々の議員の皆様や市長をはじめとする市職員も実現に向け努力を続けてきたにも関わらず、60年近く経った今でも実現できていない状況でございます。
現火葬場の移転新設が急務であることは、議員の皆様をはじめ全ての市民の皆様が理解をされ、また大いに期待されておられるところです。一方で現施設の老朽化や対応能力の著しい低下は明らかであり、多くの市民の皆さんからも一日も早い建替えを求める声が日に日に大きくなってきております。また新斎苑事業のスケジュールの遅れは、合併特例債を充当することができなくなり結果的に約22億円の市の財政負担が生じることもご承知のとおりでございます。
そのような中、現在私どもが交渉させて頂いている地元自治会の方からは「市民のために受け入れを検討しよう」という前向きなお声も頂戴している所であり、このことは我々にとっても、また市民にとっても大変ありがたいことだと感じております。長年地元の理解を得ることが困難であった新斎苑に一筋の光がようやく見えてきた思いも致します。もちろん、現時点では地元の皆様の合意に至ってはおらず、様々な反対のご意見も頂いていることは重く受け止めております。
私どもと致しましては、何よりもまず、地元周辺住民の皆様のご理解を得ることが最も重要と考えており、計画地周辺の土砂災害警戒区域等へのご心配についても詳細な調査結果や今後の継続的な対策等を含めしっかりとご説明申し上げ、不安の払しょくに最大限努めて参りたいと考えております。
その中におきまして、やはり今回の修正予算では、市内全域から選定した唯一の計画地である横井町山林への新斎苑建設事業を大きく遅延させることが懸念されます。また一定のご理解をいただき、前向きなお話をさせて頂いている地元周辺の皆様や地権者に対しても市の姿勢が問われることも考えられます。
市としては一日も早い新斎苑の実現に向け、さらなる努力をしてまいる所存でございますので、何卒ご理解を賜りたく、改めてご審議をお願いする次第であります。なお、新斎苑整備事業の内、地元説明関係経費や課の事務費等を除く事業関連予算については、地元周辺の皆様との協議を進め、ご理解を得た上で事業を進めてまいりたいと考えております。