3月の定例市議会では、通常の本会議や委員 会に加え、新斎苑の集中審議が別途一日設けら れる等、まさに「新斎苑議会」となりました。災害 リスクや地元合意、また議員有志による対案等、 様々な論点が出されましたが、最終的には市か ら提出した関連予算の大半が削減される結果 となりました。
まず災害リスクについてですが、計画地が土 砂災害警戒区域に入るのでは?という指摘があ りました。しかし、実際に施設を建設する場所は 地盤も硬く区域に該当せず、さらに必要に応じ て予防的な安全対策を講じることでクリアでき ます。また、住民集会での質問を受け、地すべり や土石流のリスクについての追加調査を行っ た結果、専門家からは「影響は想定しにくい」と の評価を得ました。さらに計画地内に保安林が あると建設できないのでは?という趣旨の質問 もありましたが、仮に用地の一部がかかってい ても、保安林を避けたレイアアウトにする、もし くは保安林自体の解除も可能なため、何の問題 もありません。(そもそも日本の森林面積の約 半分が保安林です)なお議員有志からの「対案」 については、最終的に正式な提案は出てきませ んでした。
前号でも触れましたが、今回の計画は、昭和 30年代から歴代市長が候補地を探す中で、地 権者の同意や面積、各種規制や近接住居 (250m以内に住居がない)、また市街地からの 距離等の要件で市内全域から絞り込みをかけ た中で、最終的に選定した経緯があります。つ まり、仮にこの計画地がとん挫すれば、今後市 内で実現可能な場所を探すのは極めて難しい と言えます。また、総事業費約57億円のうち、 約22億円を予定している国の財源を得るには、 平成32年度末の竣工が必須条件です。逆算す れば、今年度には都市計画決定や事業認可手 続き、用地取得に着手しなければ間に合わない 恐れがあり、その結果市が巨額の財政負担を 背負うことになります。厳しい状況ではありま すが、まずは地元のご理解を頂けるよう、引き 続き交渉にあたらせて頂く所存です。