メディア掲載
奈良を元気にする仲川げんのメディア掲載:「奈良豊澤酒造 豊祝会会報 2016冬号」のページです。
奈良を元気にする仲川げんのメディア掲載:「奈良豊澤酒造 豊祝会会報 2016冬号」のページです。
奈良豊澤酒造株式会社社長 豊澤孝彦さんとのスペシャル対談。「奈良はすべてにおいて価値のある場所」という共通の存在意義を持つ豊澤氏と、酒造りを通して奈良の今と今後について語り合いました。
(「奈良豊澤酒造 豊祝会会報 2016冬号」より許可をいただき、掲載しています)
豊澤今年も近鉄奈良駅前で県内の蔵元13社と飲食店がタッグを組んで日本酒を飲んでいただくデモンストレーションを行いました。奈良市で乾杯条例を制定していただいてから市民に浸透してきたように思います。
仲川そうですか。製造量などはどうなっていますか。
豊澤おかげさまで各蔵元ではそれぞれの特徴を生かした高級酒が増えてきています。酒米もこれまでの山田錦一辺倒ではなく、奈良県産
仲川地域ごとの個性を生かした、すぐれた蔵を発掘していく流れになっているのですね。風情のある地理的環境や食文化と同様に多様な風土が具体化した一つが日本酒の本来ですからね。
豊澤定説を重んじるだけではなく、地域のものを使って造る個性のある日本酒が都市部のみなさんにも受け、地方の良さを感じてもらえるようになりました。
仲川既存のサービスや商品に飽きてきて、伸びしろというかバリエーションを広げることによって、アプローチをしたいという人が増えてきています。
豊澤蔵の思想や背景に共感して買っていただくケースもあります。消費者の意見を柔軟に吸収して酒造りにいかせるかどうか、今後の課題です。
仲川同じ素材を使っても同じものができないのがお酒でしょう。一期一会というか、クラフトマンシップが造りだしている芸術作品です。
豊澤いい酒米を使ってもいいお酒ができるとは限りません。
仲川先日、奈良市と友好都市提携しているフランス、ベルサイユ市の市長さんはじめ一行が1週間、本市を訪問いただきました。その際、人口約20万人のベルサイユ市では日本食のレストランが多くなってきているというのです。経営スタイルが変化して食事と酒の組み合わせも変化して日本酒も好まれ、そうした食文化が逆輸入されることもあるかもしれませんね。
豊澤腕やこだわりが味に出る。物づくりの面白さは多様です。全世界で和が評価されています。これからはワールドワイドな目線で取り組む必要がありそうです。
仲川「東アジア文化都市2016奈良市」事業が素晴らしい評価を得て終わりました。これは5年前に本市で開催された第3回日中韓文化大臣会合で日本が提案したものです。世界は今、排他的な思想によって危機にさらされていますが、東アジアの国々ではもともと互いを受け入れる寛容の精神が根付いていました。シルクロードを経てもたらされた文化受容の窓口、奈良にはその精神が息づいています。対立ではなく共生の風土が息づく奈良の歴史的な空間を会場にした今回の事業が、ここに住んでいる人々にとっても再認識していただく機会になったのではないでしょうか。
豊澤新聞でも報道されましたが先日、平城宮跡から木簡が出て、そこにはペルシャ人を表す文字が出ていました。1300年前に創造された芸術、文化が生み出された現場に光をあてた今回の事業は意義があったと思います。
仲川市では、いいものを伝えていこうというブランド推進を進めています。自治体間競争が激しくなって、消費者に伝わったか、というところまで見極める必要があります。ベルサイユ市長は日常的に日本茶を飲まれていて、その味にはうるさいようです。外国人の往来が増えている今日、奈良の人が奈良のことをどれだけ知っているかということを試されているかもしれませんね。
仲川まもなく創業150周年を迎えると聞いています。奈良豊澤酒造の発展と美味しいお酒の醸造を願っています。
豊澤今日はお忙しいところをありがとうございました。市政のさらなる発展をお祈りしています。